日本比較文学会東北支部のページ

日本比較文学会の東北支部活動について情報発信して参ります。

[特集]趣旨文

再論:〈戦後〉日本文学のアメリカ表象

                                                                       司会・コーディネーター 森岡卓司

  

 占領期資料の整備と公開との進捗にともなって、第二次世界大戦後の占領という体験を具体的な位相において再検討する研究がいくつかの注目すべき成果をあげつつある。それらは、その後に続く時代の日本文学、とりわけ、閉じられた一定のイメージのもとに語られてきた〈戦後〉文学の像を再考する契機ともなりうるだろう。今回の特集では、吉見俊哉『親米と反米―戦後日本の政治的無意識』、大塚英志サブカルチャー文学論』、赤坂真理『愛と暴力の戦後とその後』などの先行する成果も手がかりとしつつ、こうした問題に取り組んでみたい。本特集は、個別の研究発表によって構成するが、終了後、総合的な討議の時間を用意したい。

[研究発表]要旨②

ハーンとボードレール

   —―ボードレール散文詩「月の恵み」の英訳をめぐって—―

                           中島 淑恵(富山大学


 ボードレール散文詩は、その内容および形式において、ラフカディオ・ハーンが自らの表現手段としての文体を獲得して行く上で大きな影響を及ぼしたものと考えられる。本発表は、ハーンが生涯に二度英訳を発表したボードレール散文詩「月の恵み」の二つのテクストを比較検討することによって、その影響のありようについて考察を行おうとするものである。
 ハーンによるこの散文詩の最初の英訳は、1882 年3 月12 日付の『タイムズ・デモクラット』紙のコラムとして発表されたものであり、いま一つは、東京帝国大学の講義の中で、「もっぱら夢想と夢と哲学的空想を表現するのに適した」 ボードレールの詩的散文の好例としてこの散文詩を紹介したものである。およそ20 年の時を隔てたこの二つの翻訳の間にはさまざまな相違点がある。20 年という時間の隔たりが、ハーンのボードレール理解の何を変容させ、あるいは何を変容させなかったのか、検討してみたいと考えている。

[研究発表]要旨①

〈太平洋の橋〉としての高木八尺


                 小林 竜一(早稲田大学国際言語文化研究所)


 『武士道』の著者として知られる新渡戸稲造は、「太平洋の橋」を「日本の思想を外国に傳え、外国の思想を日本に普及する媒酌」(『帰雁の葦』)と定義した。本発表で扱う高木八尺(1889-1984)は、日本英学史に名を残す神田乃武を父に持ち、第一高等学校在学中には内村鑑三と新渡戸に学んだ。やがて新渡戸に嘱目され、東京大学に設置されたアメリカ研究の寄付講座(「ヘボン講座」)の初代担当者に任命された高木は、日本におけるアメリカ研究の基礎を構築するとともに、新渡戸の衣鉢を継承する「太平洋の橋」として、破局へと向かう日米関係の改善に尽力した。
 本発表では、新渡戸との関連性を重視しつつ、戦前日本における知米派知識人の高木の言動を日米関係の推移というコンテクストに即して分析することにより、高木がアメリカに何を求め、アメリカのどのような特質を日本において普及させようとしたのかについて明らかにしたい。

日本比較文学研究会東北支部 第14回比較文学研究会のお知らせ

研究会のご案内です。

下記の第14回比較文学研究会を下記の要領で開催致します。

皆様ふるってご参加ください。(一般来聴歓迎)

 

       記

 

・日時 2016年7月31日(日)13:30~ 

・場所 仙台市民会館 視聴覚室 

   (会場アクセス→仙台市民会館 交通アクセス

 

・プログラム

                          総合司会 高橋 由貴          

[開会の辞]                  東北支部長 伊藤 豊

[研究発表]   13:35〜14:45          

 

                            司会 塩谷 昌弘   

 小林 竜一
 〈太平洋の橋〉としての高木八尺

 

                                       司会 佐藤 伸宏

 中島 淑恵

 ハーンとボードレール
   ―ボードレール散文詩「月の恵み」の英訳をめぐって―


[特集]再論:〈戦後〉日本文学のアメリカ表象 15:00〜17:00

 

                                                司会・コーディネーター 森岡 卓司

 

 鈴木 貴宇

 青空のゆくえ:あるいは戦後日本社会における「アメリカ」表象の分析

 

 山﨑 義光

 三島由紀夫のアメリカ認識

                      ディスカッサント  仁平 政人

 

[懇親会]

  *仙台駅周辺にて予定しております

第14回比較文学研究会 発表者募集のお知らせ

 第14回比較文学研究会を7月31日(日)午後、仙台市民会館視聴覚室(仙台市地下鉄勾当台公園駅徒歩15分)において開催いたします。

 つきましては研究発表の募集を行いますので、題目(仮題でも可)と要旨(400字程度)を添えて、下記の支部事務局までお申し込み下さい。奮ってご応募下さいますよう、お願い申し上げます。

 

1.発表申し込み締切 2016年6月24日(金)

2.発表申し込み先 プロフィール欄記載の日本比較文学会東北支部事務局

 

*なお、発表者で常勤でない方には、支部としまして交通費の補助をさせていただく予定です。お含みおき下さい。

*発表の申し込みをいただいた方には確認のメール(または郵便)をお送りします。

本年度の比較文学研究会のお知らせ

研究会のお知らせです。

本年度の東北支部の比較文学研究会を以下のように開催する予定です。

 

・日時 平成28年7月31日(日) *日曜開催に変更になりました。ご注意願います 
    午後~(発表者の人数により開始時間が異なります)

・場所 仙台市民会館 視聴覚室

 

発表者を若干名募りますので、ふるってご応募願います。

 

なお、本年度の東北大会は11月26日土曜日、福島大学で開催予定です。こちらもどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

[事務局より]

〇第5回比較文学研究会の懇親会について

第5回比較文学研究会につき、下記のように懇親会参加者を募集します。ご希望の方は3月18日(金)までに、東北支部の事務局(右上プロフィール覧参照)までメールにてお申し込みください。

日時 2016年3月27日(日)18:30開始
会場 海の音 

           札幌市中央区北5条西5丁目 JR55SAPPORO7階

           tel.011-221-8077
会費 一般5,000円 学生3,000円

 

〇第5回比較文学研究会の当日の昼食ご注文について

第5回比較文学研究会につき、昼食弁当のご注文を下記のように承ります。(当日は、会場校の藤女子大学内外に昼食を提供するお店がありません。)
ご希望の方は3月21日(月)までに、支部事務局までメールでお申し込みください。

・昼食弁当:お弁当の価格 お弁当540円、伊藤園お~いお茶(紙パック250ml)97円(いずれも税込)


・お弁当の種類(以下よりお選びください)
まぐろ串カツ弁当
ミックスフライ弁当
野菜コロッケ弁当
海老フライ弁当
イカフライ弁当
豆腐ハンバーグ弁当

・お弁当の写真・内容詳細は、次の北大生協HP:大学生協ケータリングに掲載されています。(540円弁当限定)

・ご注文方法:必ずお弁当の種類・個数、お茶の個数、氏名を明記して同じく支部事務局(プロフィール欄参照)までメールにてご注文ください。