日本比較文学会2017年度東北大会のご案内
本年度東北大会のご案内です。
日本比較文学会2017年度東北大会を下記の要領で開催致します。
皆様ふるってご参加ください。(一般来聴歓迎)
記
・日時 2017年11月11日(土)13:00~
・場所 あきた文学資料館 2階講座室
アクセス→あきた文学資料館のページ|秋田県立図書館
[研究発表]13:05~14:15
(司会) 高橋秀晴
貧民の空間 ―明治の貧困表象― 加賀谷 真澄
(司会) 佐野正人
満洲国の女性作家・梅娘の日本経験と近代的主婦像 羽田 朝子
[特 集]自然表象と〈モノ〉の翻訳 14:30~16:40
(司会) 仁平 政人
〇講演
東西の〈蟋蟀〉をめぐって
―芥川「羅生門」とエリオット『荒地』の場合― 荒木 正純 氏
〇研究発表
川端康成『伊豆の踊子』における自然の表象 ―英訳との比較から― 江口 真規
ディスカッサント 山﨑 義光
[総 会] 16:40~17:00
[懇親会] 17:30〜 秋田駅周辺の予定
*懇親会にご出席を希望される方は、
日本比較文学会2017年度東北大会について(予告)
本年度東北大会は、11月11日(土)午後より あきた文学資料館にて開催予定となっております。
みなさまどうぞ宜しくお願い申し上げます。
要旨③
井上 浩一(東北大学非常勤講師)
作家、詩人の佐藤春夫(1892-1964)は、周知のとおり、中国文化の受容や児童文学の方面においても功績を残した人物である。そしてその功績の一つが、中国小説を原典とし、児童書として刊行された『西遊記』の編訳である。
本発表では、数種類存在する佐藤訳『西遊記』の中で、臨川書店『定本佐藤春夫全集』第32巻に収められている『西遊記』(新潮社、1944年)が、日本の西遊記受容史においてどのような位置づけにあたるのか、発表者がこれまでに検討を加えた宇野浩二や伊藤貴麿など、他の作家による『西遊記』との比較を通して考察する。
ただし、佐藤春夫による中国小説の翻訳で確認が必要となるのが、『平妖伝』の翻訳などで問題となっている代筆の問題である。そこで佐藤訳『西遊記』を西遊記受容史に位置づけると同時に、『西遊記』に代筆の問題が存在するのか否かについても、現時点で可能な限り検討したい。