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[支部会員書籍情報⑥]阿部宏慈・中村唯史編『現代視覚表象におけるメディア的身体の研究』

阿部宏慈・中村唯史編『現代視覚表象におけるメディア的身体の研究』山形大学人文学部叢書7、山形大学人文学部、2015年3月30日

 

・阿部 宏慈「傷としての映像 ──ドキュメンタリー映画における可傷性の問題をめぐって──」
・森田 直子「テプフェール漫画における追跡(チェイス)」
・中村 唯史「マンガにおける知覚・認識の表象をめぐって ──こうの史代の作品を中心に──」
・成田 雄太「『モロッコ』の「センセイション」 ──邦文字幕の導入期におけるトーキー・プレゼンテーションをめぐる諸問題──」
・大久保 清朗「閾と身体 ──成瀬巳喜男映画における身体表象──」

 

森田氏・中村氏・成田氏の支部会員3名が論文を寄せている現代視覚表象についての論集のご紹介です。
「身体」はかつて考えられていたような「実体的なるもの」でも孤立したものでもなく、対象と製作者の意図との葛藤の場であったり、これを囲繞する空間や時代や社会との相関の場であったりします。今回の論集は、映画や漫画といった視覚メディアの検討を通してそれらを明らかにする、大変興味深い内容となっています。