東北支部では、会員の活動の活性化のために、折々の企画のテーマに沿って多くの方々から発表・原稿を募り、研究成果を世に問う企画を進めております。
この企図の第一歩として、今回は「アメリカ」を共通テーマとしつつ、相互に連動した特集企画を実施します。
一見して東北とは何の関係も無さそうな「アメリカ」というテーマを選んだのには、それなりの理由があります。まず第一に、様々な専門分野を持つ会員が集まる東北支部で、できるだけ多くの会員の参加を可能とするような、広がりのあるテーマを選ぶ必要がありました。第二に、ここでの「広がり」とは、単に雑多な要素を含むという意味では決してなく、全体としては、あくまで比較文学・文化という大枠を順守しつつ、個別の話題は多様でありながら、そこに相互の有機的なつながりを見出しうるといった種類の、共通テーマを定める必要がありました。このような視点から候補にあがった複数のテーマについて検討し、最終的に選ばれたのが「アメリカ」です。無論、アメリカといっても、アメリカ合衆国を直接的な対象とする研究という意味ではなく、比較文学・文化という視点を最大限に活用しつつ、個々人の専門の立場からアメリカ表象を論じる、ということです。
「アメリカ」を考える試みの皮切りとして、本年7月の比較文学研究会においては、「親米と反米」のテーマでシンポジウムを開催しました。さらに12月の東北大会でも、この共通テーマのもとに特集企画を実施していく予定です。
皆様には、以上の趣旨につき何卒ご高配を賜り、研究発表や寄稿などの機会を通じて、本事業に積極的にご参加くださるよう、よろしくお願い申し上げます。