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[企画趣旨]女性文学の現在

 2017年ごろから世界的なMeToo運動の高まりとともに、女性をめぐる状況も大きく変化した。ハリウッドやノーベル文学賞において、MeToo運動を受けた形で見直しが図られたように、文化や国境を横断する運動としてMeToo運動は波及していったからである。もちろん文学やサブカルチャーにおいても例外ではなく、英米圏、アジア、ヨーロッパ各地域で女性文学・女性文化への注目度は高まっている。特にアジア圏では韓国で『82年生まれ、キム・ジヨン』がベストセラーとなり映画化もされるなど、若手の女性作家が次々に作品を発表し、フェミニズム文学の隆盛を迎えている。また、同様の動きは日本でも多和田葉子柳美里の小説がアメリカで全米図書賞翻訳部門を受賞するなど、起きているように見られる。
 本研究会では各地域の女性文学や大衆文化をテーマとして、3名の登壇者にご発表いただく。その後、コメンテーターからのコメントを交えて、アジア圏、英米圏、ヨーロッパ、など各地の女性文学や大衆文化が置かれている状況を相互に討論し、情報交換できる会となれば幸いである。