日本比較文学会東北支部のページ

日本比較文学会の東北支部活動について情報発信して参ります。

2020-03-01から1日間の記事一覧

[要旨⑤]

1960年前後の〈東北〉表象と石坂洋次郎編『津軽』 森岡卓司(山形大学) 石坂洋次郎編『津軽 〈詩・文・写真集〉』(新潮社 1963)は、石坂、高木恭造、小島一郎の既発表作を改めて編集したものである。高橋しげみ(「北を撮る―小島一郎論」、『小島一郎写真…

[要旨④]

島木健作『満洲紀行』と渡辺勉の報道写真 山崎義光(秋田大学) 島木健作『満洲紀行』(創元社、1940)は満洲開拓地の実状見聞にもとづいたエッセイ集である。本書の特質が見聞のリアリズムによる批評性にあることについて拙論「島木健作の地方表象」(『一…

[要旨③]

写真家ポール・ストランドの作品に見る異文化表象 矢島真澄美(東北学院大学) 写真家ポール・ストランド(Paul Strand 1890年−1976年)は、1900年代のアメリカで、「ダイレクト」と称されるほどまっすぐに被写体と対峙し、彼独自のストレート・フォトグラフィ…

[要旨②]

大庭みな子『浦島草』論―女たちの語る「戦後の民話」をめぐって― 髙畑早希(名古屋大学大学院) 1976年の日本を舞台とする『浦島草』は、複数の女性たちが、アメリカから帰国した主人公の雪枝へ向けて、自分たちの戦後の記憶を語る物語である。被爆や障害、…

[要旨①]

牛島春子「祝といふ男」―植民地主義における浪漫精神の表現 賈戈輝(筑波大学大学院研究生) 作家・牛島春子(1913〜2002)は、1936年から1946年まで、「満洲国」即ち中国の東北地方に足掛け十年間住んでいた。本発表では、牛島の「満洲」作品のうち最も注目を…