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[支部会員書籍紹介①]中村唯史編『ロシアの南――近代ロシア文化におけるヴォルガ下流域、ウクライナ、クリミア、コーカサス表象の研究』

2014年度に刊行された支部会員の編著作をご紹介致します。

 

中村唯史編『ロシアの南――近代ロシア文化におけるヴォルガ下流域、ウクライナ、クリミア、コーカサス表象の研究』(山形大学人文学部叢書5、2014年3月)

 

第1章 イズマイロフ『南ロシアへの旅』に描かれたウクライナ――「風景」「歴史」「信仰」を巡る感傷旅行(鳥山祐介)

第2章 19世紀の水辺地域調査プロジェクトとロシア南方のイメージ(望月哲男)

第3章 地政学と地詩学の見地から見たクリミア――マッキンダーとヴォローシン(斉藤毅)

第4章 なぜネフスキイは台湾・ツォウ村へ出かけたのか――『ツォウ語方言資料』成立前史(塚本善也)

第5章 地中海からアラギョーズへ――マンデリシタームの詩学アルメニア中村唯史)

第6章 アルメニアの画家M・S・サリヤン(福間加容)

第7章 2000年代のロシア文学に描かれたチェチェン紛争――マカーニン『アサン』とサドゥラエフ『シャリ急襲』を中心に(岩本和久)

第8章 創造と継承――エレヴァンの演劇事情紹介(楯岡求美)

 

ロシアの文明論的視座の中で「南方」がどのように定位されたか、ロシア/ソ連の影響下に近代を成立させた「南方」の人々が、自らの立ち位置をいかに読み換えていったかを考察した8編からなる論文集です。