[シンポジウム ロマン主義の伝染力(ヴァイラリティ)]趣旨
・コーディネーター 渡辺 将尚(山形大学)
・基調講演 金津 和美(同志社大学)
・パネリスト 佐藤 伸宏(東北大学)
・パネリスト 加藤 健司(山形大学)
18世紀末のドイツに花開き、数々の名篇を世に送り出したロマン主義は、他国の文学・芸術活動に大きな影響を及ぼし、政治的にも19世紀前半のさまざまな革命運動の思想的拠り所となるなど、その影響力には計り知れないものがある。本シンポジウムでは、ロマン主義が持つそうした強い影響力を「伝染力」として捉え、この「伝染力」を生み出す根源とはいかなるものであったのか、同時代の他国・他文化への「横の広がり」、およびドイツの後の時代への「縦の広がり」を視野に入れながら考察する。
進行は、まず金津和美氏に基調講演をいただき、ついで2名のパネリスト、さらにはフロアの参加者を交えて議論を行う。講演では、「ロマン主義の世界的流行(パンデミック)―島国イギリスと二つの大陸」をタイトルとして、ウィリアム・ワーズワスとサミュエル・テイラー・コウルリッジという二人の詩人を中心に、フランスの啓蒙主義、ドイツの観念論哲学からの影響、またアメリカのロマン主義である超絶主義(トランセンデンタリズム)への展開という二つの側面から、イギリス・ロマン主義がヨーロッパ大陸と北米大陸をつなぐ思想的集線装置としていかに機能したのかについてお話しいただく予定である。
[研究発表]要旨
ソロモン ジョシュア・リー(弘前大学)
「満洲/国における日本語文学と自然界のメタファーの多様性」
この発表では、日本帝国時代に満洲文壇の作家による日本語文学を取り上げ、その中で用いられた自然界のメタファーを分析する。内地の大衆文学では、「満洲」は天然資源が豊富な、文明が発達していない大自然/大地として、開拓のために理想化して描かれていることが先行研究により明らかにされている。一方で、いわゆる満洲文壇やその中の「マイナー」な作家達の詩作・小説における自然界・自然現象の心象についてはまだ充分に論じられていない。そこで、主にマイナー詩人である高木恭造と坂井艶司が活用した「動物化」・「植物化」する人間の心象に焦点を当てて「自然」のメタファーについて論じたい。従来の「満洲日本語文学と自然界」の解釈を参考にしながらその視野を広げ、この詩人達の身体論を考察していく。
日本比較文学会2018年度東北大会のご案内
本年度東北大会のご案内です。
日本比較文学会2018年度東北大会を下記の要領で開催致します。
皆様ふるってご参加ください。(一般来聴歓迎)
記
・日時 2018年12月1日(土)13:30~
・場所 大学コンソーシアムやまがた ゆうキャンパス・ステーション
アクセス→ http://consortium-yamagata.jp/
[開会の辞] 伊藤 豊
[研究発表]
(司会) 江口 真規
・満洲/国における日本語文学と自然界のメタファーの多様性
ソロモン ジョシュア・リー
[シンポジウム]ロマン主義の伝染力(ヴァイラリティ)
(コーディネート)渡辺 将尚
〇基調講演
・ロマン主義の世界的流行(パンデミック)――島国イギリスと二つの大陸
金津 和美氏(同志社大学)
(パネリスト)佐藤 伸宏・加藤 健司
[総 会] 16:35〜17:00
[懇親会] 山形駅前 於:北野水産
*懇親会にご出席を希望される方は、
日本比較文学会東北支部編『「アメリカ言説」の諸相(仮)』掲載論文募集について
• 編者:日本比較文学会東北支部(編集担当:伊藤豊 森岡卓司)
• 出版元:晃洋書房
• 刊行予定:2019年6月
• 売価:未定
• 執筆予定者:日本比較文学会東北支部会員希望者、ならびに東北支部主催研究会の「アメリカ」特集登壇者等
◯ 比較文学・比較文化の研究に寄与するものであること
◯ アメリカおよびアメリカ言説を対象に含む内容を持つこと
◯ (編者が特に依頼するものを除き)
◯ 未公開の12,000〜20,
日本比較文学研究会東北支部 第18回比較文学研究会(東北大学大学院情報研究科共催)のお知らせ
研究会のご案内です。
第18回比較文学研究会を下記の要領で開催致します。
皆様ふるってご参加ください。(一般来聴歓迎)
*なお、本研究会は東北大学大学院情報研究科との共催です。
記
・日時 2018年7月28日(土)14:30~16:40 *受付開始14:00〜
仙台市地下鉄東西線八木山動物公園方面 「青葉山駅」下車・徒歩1分
▼会場アクセス→https://www.is.tohoku.ac.jp/jp/introduction/access.html
・プログラム
[開 会 の 辞] 東北支部長 森田 直子
[研 究 発 表]
・被植民者からみた排日移民法 ―台湾民報を中心に― 許 時 嘉
(司会 伊藤 豊)
[講 演]
・写真言説へのアプローチ ―比較文学としての写真研究― 佐々木 悠介
(コメンテーター 矢島 真澄美)
[懇親会]
*研究発表終了後、同研究棟3階小講義室にて懇親会を予定しております。