日本比較文学会東北支部のページ

日本比較文学会の東北支部活動について情報発信して参ります。

【情報提供】世界文学/比較文学の公募について(早稲田大学文学学術院)

本学会宛に下記公募情報が届きました。

事務局本部より支部のウエブページ等で周知してほしいとの依頼がありましたので、以下のようにお知らせ致します。

 

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・応募先 :早稲田大学文学学術院
・募集領域:世界文学/比較文学
・応募締切:2020年5月22日(金)17時必着
・詳細については、リンク先PDFをご覧下さい。
 https://www.waseda.jp/flas/glas/recruitment/
※当該領域以外にも複数領域の公募情報の掲載があります。

【重要なお知らせ】今年度の東北支部の活動について

今後の支部活動について事務局より重要なお知らせです。
 
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新型コロナウイルスの感染拡大により、生活の面でも研究や教育の面でも、大きな影響が出ていることと存じます。心よりお見舞い申し上げます。

さて、今年度の支部活動につきまして、下記のように計画しております。
ご確認の上、もしご質問やご意見がございましたら、事務局までお知らせ下さい。
 
  ◇ 第22回比較文学研究会
 2020年7月25日(土)午後、会場は東北大学大学院情報科学研究科の予定*現時点では開催する予定でおりますが、新型コロナウイルスの流行の状況をふまえて、慎重に開催の可否を検討します。正式に方針が決まりましたら、あらためてお知らせいたします

日本比較文学会2020年度東北大会
 2020年11~12月、岩手県で開催の予定
*なお、3月の比較文学研究会で発表予定だった方には、同大会での発表にエントリーしていただくことを検討しております
 
                      東北支部事務局・仁平政人
 

【重要なお知らせ】日本比較文学会第82回全国大会(5月30〜31日)中止のお知らせ

2020年5月30~31日に早稲田大学で開催予定だった第82回全国大会ですが、
新型コロナウイルスの感染拡大に鑑みて、中止となることが決定いたしました。
 
学会HPにも、中止のお知らせとともに会長からの告知文が掲載されたところです
 
 
参加を予定されていた皆様、発表をご準備されていた皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
学会としては、発表を予定していた方が不利益をこうむらないよう、できるかぎりの策を講じることといたします。
その点も含め、詳細につきましては会長からの告知文をご参照ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
                         東北支部長 森田直子

[重要なお知らせ]第21回比較文学研究会の延期(または中止)について

3月28日(土)盛岡市で開催予定でした第21回比較文学研究会につきまして、

新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、延期(または中止)することといたします。

今後の開催については、詳細が決まり次第、あらためてご案内させていただきます。

ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さいますようお願い申し上げます。

[要旨⑤]

1960年前後の〈東北〉表象と石坂洋次郎編『津軽

森岡卓司(山形大学

 

 石坂洋次郎編『津軽 〈詩・文・写真集〉』(新潮社 1963)は、石坂、高木恭造、小島一郎の既発表作を改めて編集したものである。高橋しげみ(「北を撮る―小島一郎論」、『小島一郎写真集成』インスクリプト 2009)は、本書刊行の前史に小島と北畠八穂との雑誌グラビアページ上のコラボレーション(『中央公論』1961.12)があったこと、また、本書の編集構成に小島一郎の主体的な関与があったことを指摘したうえで、北方(東北、北海道)表象に関する小島の複雑なスタンスを論じている。本発表においては、ここに石坂、高木両者のテクストの選択、配列の問題を併せ考えつつ、「あとがき」において石坂が述べる本書の主題「津軽エスプリ」を、戦後の〈東北〉表象の文脈に再浮上させてみたい。

[要旨④]

島木健作満洲紀行』と渡辺勉の報道写真

山崎義光(秋田大学

 

 島木健作満洲紀行』(創元社、1940)は満洲開拓地の実状見聞にもとづいたエッセイ集である。本書の特質が見聞のリアリズムによる批評性にあることについて拙論「島木健作の地方表象」(『一九四〇年代の〈東北〉表象 文学・文化運動・地方雑誌』 東北大学出版会、2018)で論じた。本発表では『満洲紀行』に渡辺勉撮影の30葉の写真が付せられていることを取り上げる。島木は序文で「私の文章と渡辺君の写真とは必ずしもマッチしてはゐない。しかし、印象的な紀行文からははるかに遠い私の旅行記が、これらの写真によつて柔らげられ、補われるところがあれば有難いと思つてゐる」と記していた。島木の序文の意味を、当時、渡辺が満洲移住協会発行『新満洲』などに掲載していた写真や、写真入門書として刊行した『組み写真の写し方纒め方』(アルス、1941)を参照して明らかにする。それによって、20世紀のルポルタージュ(記録、調査、報道、報告、紀行)に関する細やかな問題提起としたい。

[要旨③]

写真家ポール・ストランドの作品に見る異文化表象

矢島真澄美(東北学院大学

 

 写真家ポール・ストランド(Paul Strand 1890年−1976年)は、1900年代のアメリカで、「ダイレクト」と称されるほどまっすぐに被写体と対峙し、彼独自のストレート・フォトグラフィーを確立したことで知られている。

 ストランドについては、これまでも肖像写真を撮影する際に用いた隠し撮りの手法や、社会的問題を扱った写真などについての研究がされてきた。しかし、表現における特徴や時代背景を考慮しつつ、異文化表象という視点から一つ一つの作品を詳細に分析した研究は管見の限り見つかっていない。そこで、本研究では、異文化表象という視点から、ドキュメンタリー写真と芸術写真の両方の要素を兼ね備えていたと考えられる彼の作品の新たな一面を提示していきたい。

 まずは、そのための一歩として、本発表では、1900年代のアメリカにおける写真界の表現に対する議論について整理しながら、写真集『メキシコの作品集』The Mexican Portfolio(1967)を考察していくこととする。