日本比較文学会東北支部のページ

日本比較文学会の東北支部活動について情報発信して参ります。

日本比較文学会2020年度東北大会 登録フォームにつきまして(締切お知らせ)

標記の大会について、多くの方々からの事前エントリーありがとうございました。

オンライン参加のご登録は、29日午前10時で締め切らせていただきます。ご了承ください。

日本比較文学会2020年度東北大会(11月29日)当日タイムスケジュールについて(11/28時間訂正)

いよいよ2020年度東北大会が日曜日に迫りました。

当日オンラインで参加される方にタイムスケジュールのご案内です。

当日プログラムは、以下のような時間で進行致しますので、ご参照ください。

(ただし、目安ですので多少前後することがございますことご了承ください)

ご参加を会場で/画面越しにお待ちしております。

 

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13:00~
開会の辞 森田直子 支部

13:05~13:45
牛島春子〈開拓文学〉から見る農民への眼差し
賈戈輝(筑波大学大学院)

13:45~14:25
大庭みな子「火草」・「トーテムの海辺」論
――自然や民話と交感して物語る女性像をめぐって
髙畑早希(名古屋大学大学院)

 休憩(14:25~14:40)

14:40~15:20
写真家フェリス・ベアトの風景写真とピクチャレスク
矢島真澄美(東北学院大学

15:25~16:05
報道の時代のなかの島木健作満洲紀行』
山崎義光(秋田大学

 休憩(16:05~16:15)

16:15~16:55
1960年前後の〈東北〉表象と石坂洋次郎編『津軽
森岡卓司(山形大学

 

日本比較文学会2020年度東北大会(11月29日)のオンライン参加用登録フォームのご案内

 11月29日の日本比較文学会2020年度東北大会につきまして、オンライン参加用の登録フォームを作成いたしましたので、お知らせいたします。
 

 先にご案内しましたとおり、今年度の大会は会場とオンラインを併用する形で開催されます。オンラインでの参加をご希望の方は、下記のリンクからフォームに入り、お名前、メールアドレス等をご登録ください。

 
 
 なお、オンライン参加用のURLや資料の入手方法につきましては、登録された方に前日までにお知らせいたします。
 
*会場での参加を予定されている方は、ご登録は不要です

[研究発表]要旨⑤

森岡卓司(山形大学

 

      1960年前後の〈東北〉表象と石坂洋次郎編『津軽


 石坂洋次郎編『津軽 〈詩・文・写真集〉』(新潮社 1963)は、石坂、高木恭造、小島一郎の既発表作を改めて編集したものである。高橋しげみ(「北を撮る―小島一郎論」、『小島一郎写真集成』インスクリプト 2009)は、本書刊行の前史に小島と北畠八穂との雑誌グラビアページ上のコラボレーション(『中央公論』1961.12)があったこと、また、本書の編集構成に小島一郎の主体的な関与があったことを指摘したうえで、北方(東北、北海道)表象に関する小島の複雑なスタンスを論じている。本発表においては、ここに石坂、高木両者のテクストの選択、配列の問題を併せ考えつつ、「あとがき」において石坂が述べる本書の主題「津軽エスプリ」を、戦後の〈東北〉表象の文脈に再浮上させてみたい。

[研究発表]要旨④

山崎義光(秋田大学

 

      報道の時代のなかの島木健作満洲紀行』


 島木健作満洲紀行』(創元社、1940)は満洲開拓地の実状見聞にもとづいたルポルタージュ的エッセイ集である。14のエッセイと1つの小説、30葉の写真から成る。本書の特質が見聞のリアリズムによる批評性にあることについては拙論「島木健作の地方表象」(『一九四〇年代の〈東北〉表象』 東北大学出版会、2018)で論じた。本発表では「序」で言及した2つの点に注目する。1つは、渡辺勉撮影の写真が付されていたことである。満州事変から日中戦争が本格化した1930年代は「報道写真」の隆盛期で、満州は国策宣伝の対象だった。もう1つは、アンドレ・ジッド『ソヴェト旅行記』(小松清訳、1937)『ソヴエト紀行修正』(堀口大学訳、1937)への言及で、これは『満洲紀行』の意図や意義づけに関わる。満州をめぐるプロパガンダと問題発見的な見聞との両面がせめぎあう「報道」の時代のなかでの本書の特質と意義について考究したい。

[研究発表]要旨③

矢島真澄美(東北学院大学

 

     写真家フェリス・ベアトの風景写真とピクチャレスク

 

 1863年に来日したイタリア系英国人写真家フェリス・ベアト(Felice Beato, 1832–1909)は、日本の風景や風俗を数多く撮影し、その後の来日外国人職業写真家たちの先駆けとなった人物である。彼が撮影した日本の風景写真について、佐藤守弘(『トポグラフィの日本近代』青弓社、2011)は、粗い要素の被写体、曲がりくねった川を画像の中央に配置し、左右非対称な構図を作り出す傾向を指摘している。 ピクチャレスクとは、18世紀に風景の題材として注目されるようになった言葉であり、19世紀には写真界にも浸透していた。当時、イギリスを中心とし、ヨーロッパで活動していた写真家たちは写真の芸術性について模索していた。
 本発表では、1860年代における写真界の芸術に関わる写真家たちの動向に目を向けながら、ベアトが撮影した風景写真を、当時の写真家がそれぞれの芸術の解釈のもとに行った、合成印画法、芸術写真、コラージュ、ソフトフォーカス、自然主義などの表現上の試みと照らしわせ、彼がピクチャレスク性を構図に用いたことが何を意味しているのか検討していきたい。

[研究発表]要旨②

髙畑早希(名古屋大学大学院)

 

    大庭みな子「火草」・「トーテムの海辺」論

        ――自然や民話と交感して物語る女性像をめぐって


 1970年前後の日本では、ディスカバー・ジャパン・キャンペーンの一環として、雑誌
『an・an』に「民話の旅」が特集されるなど、民話を聴きに地方を訪れる女性像がある種の流行を形成していた。同じ時期、1970年に11年間のアメリカ生活を経て日本へ帰国した大庭みな子は、帰国前後にアラスカの民話を題材とした小説を書き、自然や民話と「交感」する女性を登場させている。
 本発表では、大庭みな子の小説「火草」(『文學界』1969年1月)および「トーテムの海辺」(『新潮』1973年11月)を取り上げ、大庭が民話的なモチーフやイメージを作品へ取り入れる際の手法とその変遷を明らかにする。さらに、民話と女性をめぐる同時代の言説について整理しながら、大庭の提示した女性像の特徴をエコクリティシズムの議論を交えて言及してみたい。